index< 日誌 <au錯覚<23-80「闇の中」p6 |
そして、もしもこれが芸術の世界であるとするならば、夢の中の世界もまた、そうであると言わなければならない。 それどころか、真昼に目を開けたまま見ている白昼夢もそうであるし、幻覚や幻視、錯視もそうであるし、またもっと初歩的な、思い込みによる現実の印象に対する誇大妄想や、偏見もまたそうであると言わなければならない。 しかし、それは言い換えると、それが自分にとってもっとも気になること、求めるもの、または恐れるもの、総じて自分にとって何かとっても大事なことなのである。そして、そうしたことが実は、きわめて純粋に人間的なのである。 それは自分でもどうにもならない、潜在的で、無意識で、不随意の、そうした自分を支配している、根源的で本能的な世界なのである。タマシイの世界なのかも知れない。自分の意志ではどうにもコントロールできない、自分の中の得体の知れない未知の世界なのである。 |
a