index< 日誌 <d無意識 < 23b-29「見知らぬ世界」p8

6、夢の中。


薄暗いボンヤリした暗がりの中である。しょげて俯(うつむ)いたままの後ろ姿だけが、かすかに見える。それ以外はなにも見えない。やがて、顔の目の部分だけが見えてくる。しかし、どうしても目の中が見えない。目の周りのくぼんだ部分だけがボヤけて見えてきて、どうしても目の部分が見えない。

だから、それが誰なのか分からないし、それが男か女かというのも知りようがないのである。もしかすると、そうした現実の存在ではなくて、それは、だれでもよく、だれにもある、そしてだれかであってはならない、そうした、現実の肉体持たない、非現実の存在なのである。頭の中で現れては消えて行く幻(まぼろし)のような存在なのである。

戻る。                続く。

index< 日誌 <d無意識 < 23b-29「見知らぬ世界」p8
2019-0113-0120-B