index< 日誌 < ax背景< 23b-92 「錯覚」p9 |
そして、このような無意識の印象といったものが、自分を何らかの行動や意志へと導くサインや信号として機能している。そしてまた、このような印象や象徴、目印しといったものが、そこから何か共通するものを結びつけて、それを観念の世界で、一般的で普遍的な「抽象化」へと導く。 現実の必要に迫られて抽象化へと追い立てられて行く。この場合、見える現実の世界は、それとは別の信号としての象徴の世界を指し示しているのであって、また、それを意味するものとなっている。 このようにして現実は、人間の頭の中で、そうした信号と目印しの集まりとして作用している。そしてこの、象徴と記号と化した無意識の世界で、その上で思考が展開しているのである。またこれが、現実から切り離され抽象化された記号の世界だからこそ、それが思考として成り立っているのである。 |