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4、立場。


私たちにとっての自分自身の理由、アイデンティティ―といったものは、そうした意味できわめて曖昧で、ええ加減で、まやかしと偽りに満ちたものなのである。要は、出来事の真偽は二の次なのであって、何よりも大事なことは、自分自身の情緒を満たし、それを満足させてくれるものであれば何でも良いのである。

そそのかされやすく、まわりに迎合し、なりすまそうとするのである。これは自分の都合から、そうせざるを得ない立場に自分が置かれているのである。社会の中で自分の立場と居場所が、それを求め、そして強要してくるのである。

そして、それ以外に生きて行く方法が無いという意味でも、そうなのである。こうしたことが馴れや習慣として繰り返され、定着してゆくのである。そして、これを持って私たちは、自分の自意識や存在の理由、あるいは自己の証明と感じているのである。 

戻る。             続く。

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2019-0327-0329