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そうやって、自分でも意識せず気づかないまま自分を理由づけし、正当化しているのである。それが自分であり、自分の生き方であり、自己の存在の意味なのだと。あるいは、これが自分の日常であり、あり得べき本来の自分のすがたなのだと。 そして、情緒がそれを証明している。定め、方向づけ、そして規制している。私たちの習慣や行動の作法とマナーがそうなのである。情緒がそれらの根底にあって、人間の習慣と行動のパターンといったものを決定しているのである。情緒とは、数万数億年に渡って、自分の中で定着してきた生理の作用のことなのである。 バラバラで偶然の、いかようにも解釈できる無秩序の無意識の世界から、その方向と傾向、そしてその見えるすがたカタチの意味を情緒が作り出しているのである。もちろん、それは錯覚であり誤解に過ぎないのだけれども、その時代の現実を生きる者にとっては、それが唯一の正しい意味となっているのである。意味となり得るし、ならざるを得ないのである。また、そうでなければならないのである。 |
戻る。 続く。
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2019-0327-0329