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現実世界での、偶然と錯覚の無限の積み重ねとその結果が、一つの得体の知れない自意識の世界を作り出しているのである。暗いところから明るいところへ、閉じたところから開いたところへ、冷たいところから暖かいところへ、硬いところから柔らかいところへと、人間が無意識の内に導かれて行くようにである。 そうした方向へと惹かれ、誘われ、導かれて行く。これはどうにもならない人間の指向性であり、好みの方向性なのである。人間そのものが持つ傾向なのである。そして、こうしたことを自分自身の無意識の世界が作り出しているのである。 それは、何も人間が意識して意図的に望んだものではなくて、やむを得ず自然に、まことに致し方なく、人間というのが始めからそのように出来ているのである。 |