index< 日誌 < s設定 < 23c-38錯覚2 「連鎖」p8 |
それは、だれかが望んだことでも、それとも仕組んだことでもない。だからまた、それは客観的な偶然であり、そしてまた、何かを錯覚しているとしか言いようがないのである。錯覚であることが、それが客観的な偶然であることを保証しているのである。そして偶然であることが、それを錯覚たらしめているのである。 それでは反対に、錯覚ではない真実とは何か。そんなものなど始めからないのである。真実とは無限の客観性と普遍性であり、永遠のものである。しかしそれは、人間の頭の中にしかないものなのである。 そしてこの場合の錯覚とは、自分自身の中の観念の世界を見ているのである。そしてそれは主観的な空想の世界でしかないのである。しかし、それがまた、自分自身の自意識の世界なのである。 |