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たしかに冬でも地平線は白い。しかしそれは、たいてい晴れた小春日よりであって、冬の合間の途切れ途切れの一時的な世界である。そして何よりも寒いのである。肌が身構えて閉じたままなのである。自分が外へ出ようという気がしないのである。身体が開くことがないのである。 冬の地平線と空全体の色は、むしろ少し薄暗い。そしてたいていの場合、地平線上の白色はどこか薄暗く、明るさが足りず、寒く、重く、そして人を寄せ付けない。これがまた気分を内向的にする。同じ白色が、冬と春とでは全く正反対の印象を受ける。そしてこれが冬の空の色なのである。 |