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6、夏の色。

夏はどうか。
特に日本列島では、夏は湿気と結びついた色の強さであって、湿気で濃くにじんだ、コントラストの非常に強い色となっている。明暗の上下でコントラストがつぶれている。明るさを越えて眩(まぶ)ししく何も見えない。また、暗さを越えたところでは真っ黒になっていて、その中は何も判別できなくなっている。

地平線の白色と天空の青色の違いは、四季の中で最も明瞭である。これは柔らかさや親しみというよりも、むしろ人間を急き立て、追い立て、そして何かへとムリヤリ強制するような、そうした優しさとは無縁の世界である。

親しく透き通っていって、自分と世界との境界が無くなって混じり合ってしまう、というよりも、互いが対峙し対立し合うような、そんな色である。

戻る。             続く。

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