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秋と冬の、この「降りる」という印象は、北風のことである。北からの冷たい季節風と、上空からの寒気が地上を威圧しているのである。そしてこれが地上を寒くいたたまれなくしていて、そしてまた、これが不可抗力となって、「降りてくる」と感じられるのである。 しかし、これは印象からくる情緒とでもいったもので、実際の印象を基にして、そこから情緒がそうした印象を作り上げているのである。 なぜなら、「昇る」・「降りる」というのは、実際の視覚や聴覚といった、実際のイメージや印象とは別のものだからである。それはむしろ印象というよりも、感じ方そのもの、直感的で観念的なものだからである。 「昇る」・「降りる」というのは、むしろ、自分の中にある情緒的なものであって、実際の見えるイメージや、その直接の印象とは別のものだからである。 |