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これは、現実と接している感覚のことではなくて、現実とは切断されたところで働いている、感覚自身の世界である。感覚は現実を無視して、そして自分自身の意識をもないがしろにして、感覚だけで、感覚の世界を見ているのである。 感覚が感覚を見ている。感覚が自分の感じ方を見ていて、そして意識している。感覚が現実を無視して、感覚それ自身で閉じて自己完結した空想の世界を作り出している。感覚が、肉体からも自律したのである。 しかしまた、なぜそうしたことが起こるのだろうか。 これは無意識の内に、自分でも気づかないまま自分で自分を見ている。自分というのが、自分の中で分裂しているのである。そして、それを自分の外の現実の世界に見ているのである。見える現実の世界の中で、自分の精神の世界を見ている。そして、それを意識し始めたのである。 |