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あるいは、表情そのものが無表情に見える場合もある。この場合は要するに、鈍く、とろく、鈍感で、何らかの表情として現れるまで、時間がかかり過ぎるのである。しかしまた、このような何ごとにもその判断に時間が必要な、そうした特殊で弱い立場の人間も、世の中に少なからず居るのである。 しかし、この鈍感という意味で頭の回転が遅く、スキだらけで、現実について行けない、どこか障害のある人間のように思われることがある。これは、そう思い込むことが自分を正当化できるし、自分にとって有利な立場を提供してくれるからである。つまり、始めから食い物にしようと企んでいるのである。 だからまたそれは、反面、そう企む人間の思慮の軽薄と、よこしまな性格の弱点をそのまま反映しているのである。また、そうしたまわりの目に流されて、そそのかされて動くだけが取り柄の、自分の考えも意志もない薄っぺらな人間であることを表明しているのである。 ただし、世の中のほとんどの人間がそうなのである。また、そうであることによって、世の中が何のトラブルもなく、だれもが平和で安心して生きて行けるのである。言い方が悪いけれども、バカとアホがいくら騒いでも、世の中全体から見ると、どうということがないのである。 |