| index＜ 日誌 ＜ asWeb ＜ 24a-41「遠近法」p7 |
| これは、地上のすべての角度から光を照射して、物体を映し出しているという状態である。従って、影が落とされることがない。影は物体表面の陰影に対してだけに現れる。しかもそれはただ物体表面の、それを見る者と物体との角度に従い生じるだけである。 光源が地上のすべての空を覆い尽くす状態なので、光の明るさと陰影といったものに方向が無く、どの角度から見ても、日向（ひなた）というのがこれを見る者の方を向いている。そしてこれを見る者の方からすると、自分が景色から見られている、という感じを受けてしまうのである。 だからちょうど時間が止まったような、まるで夢の中や、桃源郷を見ているような印象を受ける。不自然で不可解な、不思議な異界に迷い込んだような印象を受けるのである。 |