index< 日誌 < v夢の中< 24a-91「異議申立て」p7 |
記憶といったものが、実際の現実の出来事から解放されて、それだけでさ迷い、ワケもなく一人歩きしているのである。あるのはただ情緒的な、そして現実との接点を持たない、そうした現実の相手を欠いた、自分自身の中の情緒の世界を見ているのである。 これは誰か他人を見ているのではない。それは現実との接点を持たず、相手をも失くした自分自身の中の、純粋に自分だけの情緒の世界を見ているのである。あるいは、このような情緒といったものが、人の姿を借りて自分自身の夢の中に出てきているのである。 もはや現実の出来事と、その因果関係や、生きている自分の現実のことなどどうでもよく、そんなことはどうでもよいものとなっているのである。精神は現実から離脱して、自分の中の情緒だけで自分の世界を作り出している。 |