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7、歴史的条件。

だから現実とは、限定し特定された「囲いの中」でのみ見えてくるのであるが、これを私たちは民族とか国民などと言った特定の枠(わく)の中で限定して見ているのである。また、そうしてのみ現実の世界というのが、具体的なすがたとなって私たちに見えてくるのである。

従って、個人が持っている経験や情緒といったものも、民族や国民、あるいは郷土といった具体的な現実の地域と歴史の中で、始めて具体的な意味を持つようになるのである。そして、これをもって私たちは、その民族の気質や気性、性格などと言っているのである。

人間は人間関係という社会と、具体的現実としての空間的歴史的条件の世界を生きている。従ってまた、人間が感じる感覚の刺激といったものも、こうした条件の中でのみ生じるものであり、また、このような現実の条件の中でのみ、その意味というのを獲得するのである。

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2018-0630-0707