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自分の外からやって来て、否応(いやおう)なく自分を引きずり込んで、引っ張ってゆく。だからこそ、これが現実であると言えるのである。それは自分ではどうにもならない世界なのである。 それは、意識や思考や観念の届かない世界なのである。それどころが自分の感情すらも無力で関係のない世界なのである。そして、こうした世界が現実なのである。 たとえば、自分の肉体の分泌腺や内臓の自律した営み、生理や神経と筋肉の条件反射といったもの。それらはたいてい自分の意志が直接届かない世界である。むしろ、「種」としての自分が、数千数万年にも及ぶ生存競争の経験の中で、肉体のカタチとその営みの仕方として保存され受け継がれて来たものなのである。 |