| index＜ 日誌 ＜ au錯覚 ＜ 24b-38思い込み③ 「祖先の記憶」p9 |
| それは何かしらの、どこかで失われた記憶の痕跡、カケラとでもいったもので、それ自体で何の意味も持ちようがないものなのである。そして自分は、この曖昧でボンヤリした記憶の痕跡を逆にたどって行って、本来の自分が居たところ、あるいは、その痕跡の自分にとっての意味や理由といったものを、探し求めて行くしかないのである。 これは非常に曖昧でボンヤリした、何もかもがハッキリしない、まるで夢の中を見るようなものだ。解釈次第で自分が何にでもなれるし、何にもなれない世界である。 そして何もかもがぼやけた、マダラ模様の雲の中の世界のようにつかみどころがなく、何一つ定かなものがなく、それでも変化を繰り返しながら現れては消えてゆく、そうした世界である。 |