index< 日誌 < au錯覚 < 24b-40思い込みD 「幻想」p9 |
このような忘れられ失われた記憶のカケラが、堆積した廃墟の中から、何か得体の知れない記憶の陰のように自分勝手に浮かび上がって来て、乱反射を繰り返し、そうして迷走する偶然の錯覚といったものが、何か正体不明の妄想のイメージを映し出しているのである。 そうして、意識されることも気づくこともなく、自分自身の気分や情緒の世界に入り込んできているのである。そしてそれが、どこかで自分を方向づけ制約し続けているのである。それが暗示する象徴の世界へと、自分を導き、そして追い立てているのである。 そうして自分でも気づかないまま、それが自分の何かの判断基準、行動や意志決定の動機となっているのである。好みの傾向や相性といったものもそうである。そして、それが気質や気性といった自分自身の精神の領域にまで入ってきていて、そしてこれを制約し特徴づけているのである。 |