index< 日誌 <l見えないもの< 24b-71「妄想する感覚」p6 |
このような生あたたかさというのは、湿気を含んだ生ぬるい空気のことであって、限りなく接近してくる「生き物」の存在を予感させるのである。まるで呼吸する息吹きのように肌に伝わってくるのである。 それが生あたたかい風と共に運ばれてくる。何かを探し求めるように自分の肌を撫でて行く。「生あたたかい」というのは、このような得体の知れないタマシイが居たたまれなくなって、相手を探し求めて外の世界に出てきているのである。 だから、この接点になっているのが衣服に覆われていない、そしてまた、身体中でも目立たず神経が敏感な首筋や背筋や足元などの、無防備で、それでいてもっとも敏感なところに直接触れてくるのである。 |