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人間は生きている。そしてまた生きなければならない。生きてこそ現実の存在なのであり、自分が人間という世界の一員であり得るのである。たとえ死ぬことがあっても、人々の記憶の中で生き続けることが出来るのである。 食べて、寝て、そして外敵から自分の身を守らねばならない。しかしやはり何よりも食べねばならない。これがすべての始まりであり、前提である。 例えば、人間が誰もいない夜道で見知らぬ誰かと遭遇するとどうなるのだろうか。夜でなくても、だれも助けに来ようのない森の中で出会ったらどうだろう。あるいはまた、中世の交通手段のない国境いの、だれも通らない峠道で迷った場合もそうである。それが夜なら特にそうである。 |