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7、歴史以前。


これでは他人とのコミュニケーションが出来ない。その必要もない。共に何かを感じたり、触れ合ったり、心情を共にすることもない。つまり、交流というのが成り立たないのである。少しでも気を許して信じてしまうと自分が食われてしまうからである。これではコミュニケーション自体が成り立たないのである。

いつまで経っても自分の世界に閉じこもったままで、わがままで、自分勝手で何も変わらず、進むことも後退することもなく、変化そのものがない世界。時間が止まったような世界である。

自分が行くべきところも、目的も、自分に対する理由もない、そうした存在である。何かを願ったり、望んだり、あるいは祈ったり、信じたりする、そうしたことが無い世界、それが出来ない世界である。すなわち、歴史以前の世界なのである。

戻る。                続く。


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2018-0816-0825