index< 日誌 < y肉体 < 24c-11種の記憶F 「ノイズ」p6 |
現実にないもの、見えるはずのないものを、このオバケや幻覚以外にいったいどうやって表現し得るのだろうか。それは現実にないものであって、そうである以上、このような幻となって現れるしかなかったのである。 そして、これを私たちはタマシイとか、自分自身の存在理由にしているのである。なぜなら、それは自分にしかないものだからである。それは言い換えると、自分の日常の営みの中におけるノイズであり、不具合であり、錯誤なのである。 そしてまたそれは、現実という世界の「裂け目」なのである。それはつまり、現実にないもの、または現実の外にあるもののことなのであり、そうした自分にとって未知の世界に、新たな自己の可能性を見ているのである。 |