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しかし、こうしたことは動機や原因、またはそれが現れる始めの場面とでもいったもので、言わば状況であり、背景とでもいったものなのである。そしてそれ自体が何かの実体とでもいったものを表現しては、いないのである。 それは言わば比喩であり、暗示であり、類推であり、何らかの実体に関連付けられた間接的な印象や痕跡に過ぎないのである。だからまた、それが指し示すところの真の実体とは、何ら直接の関係がないのである。 しかしそれは、その実体というのが自分でも全く解らないものである以上、仕方のないことなのである。 |