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この「ものかげ」に見るマダラ模様というのは何にでも見える。同じものを見ていても、人によって全く違ったものに見える。というのは、その中に実際に見えている明暗や陰影のレイアウト、濃淡のグラデーションといったものは、それを見る者の感じ方によって様々にイメージされるからである。 マダラ模様に対する感じ方といったものが、人によって違うのである。それは何にでも見えるし、何にも見えない、そうした捉えどころのない、カタチにならないボヤけてバラバラで、つじつまの合わない、そうした何ら秩序も整合性も欠いた世界なのである。 それは、それを見る側の無意識の世界を見ている。だからまた、それは自分自身の中の生理的な気分や雰囲気、そうした情緒の世界を見ているのである。それはつまり、気ままで思いのまま、気まぐれと偶然と思い込みだけが支配する、現実から切断された自分自身の、心の中の世界なのである。 |