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2、枠の中。

このような、私たちを条件付けて支配している、現実の限界といったものは、それとは反対の世界からも説明できる。洞窟に住むコーモリと地底のヘビは、目が退化して見えなくなっている。深海にすむ魚類もそうである。

彼らにしてみれば、なぜ目があるのか分からないし、理解も出来ず、知りようもない。目というのが何の役にも立たず、なんの機能も役割も失っているからである。これは失われた感覚なのである。

かつてはあったのだが、いまは忘れられた感覚なのである。言い換えれば、この範囲内、この枠の境界線の中でしか何も感じず、知ることもなく、また、生きて行くことも出来ないということである。そしてこれが、この生物たちの世界なのである。
戻る。             続く。


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2018-1010-1122