index< 日誌 < s設定 < 24c-95象徴の世界 「限界」p8


3、理性の偽善。

しかしまた、そうしたことが人間にもあるのではないだろうか。かつて昔はあったはずの、いまは忘れられ失われた感覚の世界というのが、あるのではないだろうか。それが非科学的で合理的でないという理由で、進んで捨てて来たことが多々あったのではないだろうか。

そもそも迷信と宗教と科学の間に厳密な境界線などあるのだろうか。事実、現在において、もっとも怪しく疑惑に満ちているのが、この理性と合理性なのである。

人間は、あらかじめ条件づけられた、出来上がった世界の中でしか生きて行けない。しかし、このすでにある定められた現実の中では、もはや生きて行けなくなる場合が多々あるのである。

この場合、いま生きている現実の世界では、もはや生きて行けず、そこから出て行って他の生き方を探さねばならない。しかし、もともとそのように出来ていないのである。
戻る。             続く。


index< 日誌  s設定 < 24c-95象徴の世界 「限界」p8

2018-1010-1122