index< 日誌 < s設定 < 24c-95象徴の世界 「限界」p8 |
そうであるにも係わらず、他に生きて行く方法を探さねばならないのである。従って、好むと好まざるに係わらず、いま居る現実から出て、新しい異質な世界へと出て行かざるを得ないのである。(これは今日、ほとんど命がけで欧州へ目指す難民がそうなのである。) これが可能性としての限界線なのである。本来は越えてはならない限界を越えて、可能性を見い出そうとするのである。あるいは、自らの限界の向こう側にしか、生きて行く可能性が残されていない、ということなのである。 とは言っても、その可能性を現実にするのは自分自身であり、それは自分のことを言っているのであって、自分こそがその本人なのであって、従ってまた、自分の中にしか、それを現実にする可能性もないのである。しかし、それが成功する場合もあるし、それがどうしても自分の性に合わないこともあるのである。 自分から進んでそれを否定して自分を全うする場合も多々あるのである。多くの滅亡していった文明がそうであったし、追い立てられ排除され消えて行った先住民の世界がそうなのである。文化とアイデンティティーが失われ消えて行ったのである。同化するのを拒んだのである。 |