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2、暗示。

そうした未知の世界の出入口が「扉」となって現れ出てきている。すがたカタチを変えて乗り移り、「扉」という表面的なカタチを借りて現れ出てきている。そうした失われた記憶、もしくは願いや求めといったものが「扉」でもって表現されて現れているのである。

これはある意味でオバケのようなものだ。本来無いものが、あるはずのないものが、すがたカタチを変えて、嫌でもそれを暗示するものとして目の前に現れ出てきている。

あるいはまた、それへと誘い出し導くサインとして、まるで幻のように現れては消えて行くのである。確かに、これは錯覚や幻覚なのかも知れないが、それを生み出しているのは、自分自身の中の飢えた求めといったものが、それを呼び起こしているのである。自分の中の闇の底から聞こえてくる、叫びや呻き声みたいなものである。

戻る。             続く。


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2019-0624-0725