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5、統治される能力。

仲間とは、仲間でない者を作るということである。群れて、自分の考えを捨てて、他人にすがって生きるということである。だからまた、自分で自分のことを生きて行けなくして行くのである。それは、自分で自分を生きるのを辞めてしまった当然の結果なのである。

そうして他人にすがるだけが取柄の情けない人間ばかりを増殖して行く。しかしまた、そうして世の中の秩序が安定するのである。「統治される能力に優れている」というのは、このことなのである。

一所懸命、滅私奉公、武士道がそうなのである。逃げ場がどこにもない。それが行きつく先は、一家心中及びそれに伴う子殺し、恋人同士の心中、集団自殺、玉砕、竹やりと火炎瓶での自爆攻撃などがその例である。

それ以外の規範というのが無くて、自分で考える選択肢というのが無い、そうした世界なのである。歴史的にも文化的にもそうなのである。自分の考えというのが無くて、それが許されない世界なのである。

戻る。             続く。


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2020-0123-0225