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そうした区別の必要のないものに、人間が気づくことも、知ることも、理解するといったこともないのである。これが人間にとっての現実なのであり、そうした現実から逸脱したものに対して、人間はそれを知ることがないのである。 知りようがないのである。知る機会も場面も理由もないのである。現実とは、人間と世界との係わり方なのであって、そこから離れたところに人間の感覚は届かないのである。その必要も能力も経験もない世界なのである。 人間にとって見える「色」とは、このような人間と世界との係わり方の中で識別されてきた感覚なのであって、このような現実との係わりのない「色」は、人間には識別できないのである。必要のないところに意味も理由もなく、またそれが意識されることもないのである。すなわち、観念の世界で抽象化して見ているのであって、それ以外のものは区別されないのである。 |