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6、可能性。



「支配的」というのは、それが全体を規制しているような、そうした主導的で主たる色のことである。そうやって、見ている景色を理解しているのである。そして、そうした見ている景色の支配的な色というのが変わって行く場合、それはその中で何かが起こっていて、変わり、移って行っているのである。

言い換えると、いままで支配的でなかったもの、副次的でどうでもよかったもの、あるいは忘れられ、失われ、捨てられてきたものが、反対に主導的・支配的なものに浮かび上がって来ているのである。また、そうした「失われたもの」が少しでも残っていなければ、変化は起こらないのである。

それは自分の中で消去されながらも、潜在的な可能性であり続けて来たものなのである。カケラや痕跡、ノイズや不具合、あるいは錯覚や誤認などとして、自分の中で、自分でも捉えどころのない意味不明の衝動や、現れては消えて行く見知らぬイメージやシルエットが暗示し続けて来たものなのである。

自分自身の、肉体の生理や神経の作用として、それが生きて行く営みの中で保存し続けてきたものなのである。

戻る。             続く。


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