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単に、祖先から伝えられ引き継がれた既存の方法ではなく、そこに生きる人間が直接自分で考えて、何もかも自分で判断して、自分で行動せざるを得なかったということである。そうした意味で、これは、それまでの文化と歴史の断絶であって、何もかも新たに自分で形成し始めたということである。 そうしたことは、自然との関わり方において、単に表面的で形式的な関係だけでは不可能なのであって、より内的で、本質的に関係せざるを得なかったということである。そうしてのみ、新たな生存の方法とそのシステムを発見し形成し得たのである。 それは文化の断絶であるとともに、新たな人間のタイプの生成を意味している。単に、新たな民族が形成されたにとどまらず、そうした形式的な変化ではなく、「人間」というのが、本質的に変わってしまったということである。 というのは、そうしてのみギリシャの自然から、本来の生産性を引き出すことが出来たからである。それがまた、ギリシャの自然の特徴でもあったのである。引き出すというのは、それ以前の、農耕と牧畜とは別の生産システムのことである。略奪ないし商業、そして奴隷制のシステムのことである。それまでの社会システムとは別の異質なシステムが優勢になって、それが支配的で主導的なシステムとなったということである。 |
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