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6、自覚。



知りたくないのにムリやり思い知らされる。感じられもするし、意識もするし、自覚もされてくる。実に、そうした自意識なしに、新たな現実の世界を生きて行くことが出来なかったのである。

また、それなしには何も見えなくなってしまっている。自分自身の中でものごとの判断基準や、その座標系といったものが変わってしまっているのである。自分が変わったと感じるのはそのためであり、そしてまた、自分が変わったからこそ、変わる以前の自分をかえりみることが出来るようになったのである。

さらにまた、自然や社会に対しても、新たな視点から見て感じて知るということが出来るようになったのであり、そしてまた、そのなかから新たな世界と自分というのを発見していったのである。

自分というのが、自分自身の原理と必然性の下に生きているというのが、意識されてくる。また、それなしに新たな現実に適応した生き方というのを、見い出すことが出来なかったのである。そうした自意識なしに、新たな生き方というのを見い出し得なかったのである。

戻る。             続く。


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