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8、意味。



精神が、自らの肉体の構造や仕組み、そしてその営みの内的作用と本質的にかかわるようになったのである。精神が肉体と対峙してお互いを意識し始めたのである。

ギリシャの、自然条件と社会文化的状況といったものが、人間の活動を制約し、条件付け、方向づけたのである。このような状況の中で生きることを条件づけられた人間としては、それはそうせざるを得ず、そうするしかなかったということである。それ以外の生きて行く道を閉ざされていた、ということである。それは、そこに生きる者にとっての宿命なのである。

精神が、そこで生きる自然環境の中から、目に見える現実の世界透過して、自分自身の精神の世界を見ていたのである。あるいは、自分自身の精神の世界を発見し、自覚したのである。これが自分が持つ、自分自身の意味であったのである。

戻る。             続く。


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