index < 日誌 < aqまやかし< 「恐ろしさ」p4/ |
しかし、正直いって「それ」とは、ハッキリいって自分でもわからないことなのである。夢とか理想とか、願いとか祈り、それとか永遠、はてしないもの、限りなくすき透った透明なもの・・・、「それ」とは、いったい何のことなのだろう? 自分の中にある良心とか信仰、あるいは魂(たましい)。そうしたもっとも大切なものを自分の精神の中に見い出そうとしているのかも知れない。たぶん、そうするしかなく、また、自分というのがそこにしか存在ないように思えてくるのである。肉体を透かして、それを透過して、その向こう側にある精神の世界に自分を見い出そうとしている。はてしなく永遠で、純粋で、透明なものとして。 それは、自分でもよくわからないのに、にもかかわらず、死してもなお探し求め続けなければならないものなのである。どうにもならず、どうしようもなく、自分を惹(ひ)きつけ、いざない、誘い込んで、そうやって自分をとらえて離さず、知らぬ間に導いてゆくのである。そして気がつくと、もうどうにもならならず、逃げることも出来ない所にいて、引きずり込まれて行くのである。 |