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3、別の世界。



僕はいつもずっと、もの心つく前からそうだった。現実に対して何か言い知れぬ異和感みたいなものがあって、底知れぬ疑惑を抱きつつも、表面上はそれを取り繕って自分を偽り続けて生きてきたのである。

もともと、自分というのが、まわりのみんなとどこか違うのである。それが自分でもわかるし、イヤでも意識してしまうのである。

自分を動かしている、自分自身の仕組みといったもの、そして自分の生き方や、その理由、自己の内的同一性といったものが、まわりのみんなとどこか根本的に違うのである。現実はみんなといっしょに生きているのに、精神はいつも別の世界を生き続けてきたのである。

戻る。            続く。


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