index < 日誌 < ar象徴< 「迷い」p4/ |
それは自分の中にある悩みとか苦しみ、といったものではない。そんなどうにかなるような優しさなど無い。それは悩みとか苦しみ以前の、もはや自分ではどうにもならない、自分以前の、自分が預かり知らない恐れとか怯(おび)え、恐怖なのであって、そこから逃げ出す以外になかったのである。 追い立てられて、押しつぶされそうになりながらも、そこから出て行くしか無かったのである。打ちひしがれボロボロになりながらも、休む間もなく、そこから出て行くしか無かったのである。 だから僕は、ワケもわからないまま、アテもなく、自分でもわからない何かを求めてさ迷い続けたのである。そうするしか無かったのである。だからそれは、そうした状態は、そのまま自分というのが押しつぶされて消えてゆくか、それとも、それ以外の何か別のものに自分がなる以外に無かったのである 自分というのが、自分の中で何かにめざめ、あるいは何かを発見し、見つけ、新たに出発する以外になかったのである。そうやって出て行くしかなかったのである。 そのキッカケも、理由などといったものも、そんなことはどうでもよかったのである。なによりも大事なことは、自分が今いるこの場所から出て行くということなのであって、それさえ出来れば良かったのである。それがすべてなのであって、そしてまた、そうするしか無かったのである。 |