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4、イメージ。



実際その通りで、僕はなにかをずっと、ずっと見つめていたのである。現実にはない何かを、自分自身の無意識の世界の、印象と象徴の世界に見ていたのである。外の現実ではなくて、内なる自己の空想の世界に、それを見ていたのである。現実にそれがない以上、自分の中にそれを見つけるしかなかったのである。

暗く沈んで閉じていた気持ちが何かを求めていて、願い、そして祈り続けたのである。そうしてやがて晴れて来て、ゆるんで開いて穏(おだ)やかに、優しく昇って行く。まばゆい春の陽光の中に。それは復活と誕生の場面なのである。そうしたことが、自分がいま生きている現実の情景の中に起こるのである。

自分自身の中にある恐れや怯(おび)え、願いや祈りといったものが何かのイメージや印象と結び付いて見えて来るし、あるいはまた、それを現実の中で連想させるのである。いやがうえにもそれと結びつき、それへとつながり、誘われ、導かれて行くのである。

戻る。            続く。


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