index < 日誌 < s設定as同一性< 「文化の記憶」p7/


 
3、プロファイル。



それは例えば犯罪捜査における「プロファイル」みたいなもので、現場の状態から、その目的・理由・傾向などを絞っていって、それに適合する人間のタイプを想定し、そして特定して行くのと似ている。

また、例えば考古学における発掘調査などとも似ている。さらにまた、より高度には、考古学における壁画の模写がそうである。この場合、より直接的な内的感覚に基づいている。模写する画家の体内の神経や生理の作用でもって、壁画に同期してゆくのである。

描くという画家の行為でもって、同時に、幾千年前に描いた古代人の生理や神経、情緒といったもに同期しているのである。画家自身の体内の感覚でもって憑りつき乗り移ってくるのである。つまり、同期して映しだされ、よみがえろうとしているのである。

結局、人間とういうのは、そうした何か言い知れぬ境遇みたいなものがあって、そこから本人の性格や傾向、生活スタイルや行動パターンといったものが、自分でも気づかないまま出来上がってきているのである。「なるようにしかならない」とは、このことなのである。

反対の立場から言うと、このような「なるようにしかならない」といのは、そうした本人が置かれている状況や条件のことを言っているのである。従ってまた、このような本人をとりまく「条件」から、本人の傾向や性格といったものが特定されてくるということである。

戻る。            続く。


index < 日誌 < s設定as同一性< 「文化の記憶」p7/