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あるいはまた、自分の心臓や呼吸の音が、自分の外から近づいて来る、だれか他人の音色(ねいろ)や調べのようにも聞こえてくるし、乱れる血流の流れや空気に触れる肌の感触が、だれか他人の気配のようにも感じられてくるのである。何も無いのに、なにもあるはずが無いのに、何かがあるように思えても来るし、感じられてもくるのである。 こうしたことは、種としての自分の肉体の中で、感覚の「感じ方」として保存され伝えれて来たものなのであって、目とか、耳とか、肌といった感覚自身の好みや傾向、そしてそれが指向するところを方向づけてきたのである。 それは、本能とでもいうもので、そうしたことが何かの衝動となって踊り出て来て、無意識の世界で自分を支配し、リードし、主導しているのである。 |
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