index< 日誌< ar象徴 as同一性< 「自己の記憶」p16/


 
3、暗示。



たとえば、人間は何らかの感覚を通してしか、自分の外の世界を知るということが出来ないのであるが、何かを感じるというのは、自分と、自分の外の世界との区別を言っているのである。自己と他者が区別されてこそ、自己が自覚されて来るのである。

自分というのが、外の世界とは違う存在だということである。何かが違っていて区別もされ、そしてそれぞれの間には境界線があるということである。そして、その境界線の内と外では異なる秩序と必然性が支配しているということである。

そうしたことが何らかのハズミや符合をキッカケに、印象として思い出されてきて、なにかを象徴しているように思えてくるのである。象徴とは、前後の因果関係や、出来事の脈絡やつながりを欠いた断片の、それだけで独立した本能的な衝動や暗示の世界なのである。そうしたことが、自分自身の肉体の中で生きていて、宿り、そして無意識の世界で自分を支配し動かしているのである。

戻る。            続く。


index < 日誌 < ar象徴 as同一性< 「自己の記憶」p16/