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4、必然性。



自分の中に無いものをもって始めるわけには出来ないのであって、だからこそまた、軋轢(あつれき)が生じる。自分が自分でなくなってゆく気がしてくるのである。自分が見失われ、自分たちのタマシイが辱められ、忘れられ、失われてゆく、そんな気がして来るのである。自分たちが信じていたもの、心の拠り所となっていたものが破壊されてゆくのである。自分が壊れてゆくのである。自分が貶められ、辱められていると思えてくるのである。

だからまた、なんとしても、どうしても、自分自身の魂(たましい)といったものを見つけ出さなければならないのである。それは、どうしても必要なことなのであって、それなくして再生はあり得ず、精神は死んだも同然で、生ける屍や、奴隷と同じになってしまう。たとえ物質的に豊かになったとしても、自分たち自身の生きている意味や理由を喪失してしまうのである。

だからこそ、これがルネッサンスなのであって、それへと押し出され、求められ、導かれてゆくのである。そうするしかなく、それ以外に方法がなかったのである。滅ぶか、自分の中で新たに見つけるか、それ以外になかったのである。そして、もともと自分の中にそうしたものが無いのであれば、滅ぶ以外に道がないのである。しかし、ルネッサンスは、自分自身のなかにそれを発掘し発見したのである。

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