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人間が自分を意識するのは、一つは、現在の自分と過去の自分が、どこかで切断された場合である。もう一つは、現在を生きる自分が、自分とは異なる現実に遭遇した場合である。これを他の言い方で表すと、自分の内的な同一性がどこかで脅威にさらされたときである。 自分が自分で無くなって、自分が失われて、自分というのが壊れて行く、そうした場合である。つまり、いやでも、自分を意識せざるを得ないのである。自己の内的な自律性、情緒といったものが破壊されようとしているからである。 だから、どうしても意識せざるを得ず、そしてまた意識しなければならないのである。自分を見失わないようにするためには、そうする以外にないのである。消えて行く現実から自分を守るためには、そうする以外にないのである。 |