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自分で自分を作り変えるのである。そうせざるを得ず、そうするしかないのである。そしてまた、そうしなければならないのである。そうしてのみ、新たな変化の状況のなかで、自分というのが生き続けることが可能になるのである。 再び自分というのがゼロから模索される。自分自身のこれまでの理由や原理といったものが捨てられて、以前とはどこか、何か異なる別のものを模索し始める。現在を生きる自分自身の中で、かつてのどこかで失われ、忘れられていた何かが、自分の中で新たに発掘され、発見される。そうした自分自身の中の未知の部分が、新たによみがえり、再現され復活される。 そうでないと、自分自身が別のものにならない限り滅ぶ。滅ぶというのは、種としての魂を喪失するということである。自分が自分でなくなってしまうということである。 しかし、実際には、そうはならない。そこまでの根本的な変化は滅多におこらない。だれもそこまで望んだりしない。ただ表面上、異なる別のものとして見える、ただ表面上、そう見えればよい、ということなのである。それだけである。また、それだけで十分なのである。 しかしまた、そうしたことの際限のない繰り返し、数十数百年にも及ぶ繰り返しいが、人間の生活スタイルや、その考え方、感覚までも変えてしまうのである。以前とはまるで別の人種や民族・国民のようにしてしまうのである。 |