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そしてまた、これが無意識であるということが、自分にとっても、そして誰にとっても当然の、当たり前の、普通のことのように思えてくるのである。このような無意識の世界が人間を支配している。 しかしまた同時に、このような無意識の世界自体が、数十数百年に渡る人間の習慣や生活のスタイルが作り出してきたものなのである。そして、このような無意識の世界の感覚といったものが、自分たち人間がもともと備わっている普遍的で、逆らうことの出来ない自然のことのように思えてくるのである。 だからこそ、それがすんなりと、何の抵抗もなく自分自身の中に入ってくるのである。またそれが当然で普通の、自分たち一人一人が守らなければならない常識のように思えてくるのである。そしてまた、これが自分たちが「信じるもの」ともなっているのである。 そしてまた、だれもそれ以上に深く考えたりしないし、それはまた、考えたりしてはならないことなのである。それを意識したり、考えたりすることは、自分自身に対して疑いを抱くのと同じことなのである。自分の存在と社会のシステムを覗(のぞ)こうとしているのである。だから、普通、だれもそれ以上のことを考えたりしないし、またそれは、考えてはならないことなのである。そして、これが無意識の世界なのである。 |
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