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そしてこの、「自分とは別の者」というのは、つまり、遺伝のことなのであって、そしてこの遺伝とは、数万数億年に渡る非常に永い歳月がもたらした、種の記憶のことなのである。 そうした祖先たちの記憶が、自分の身体として保存され、それが現実のカタチとして受け継がれてきたのである。そうした祖先たちの種としての記憶が、現実の世界に現れているのである。そして、それが自分自身の身体なのである。 そして、このような現実の自分の肉体といったものが自分を拘束し、支配し、条件づけているのである。自分自身を制約し、限界づけ、そしてその方向性といったものを作り出しているのである。 可能性としての自己の現実を作りだしているのである。自分の現実としては、これ以外にないのである。この自分の肉体を通してしか自分を表現する方法がないのである。 あるいはまた、それが自分を導き、示唆し、そして自らの運命といったものを、あらかじめ暗示しているのである。しかしまた、それは仕方のないことであって、自分というのは、そのようにしてしか生きて行けないように出来ている、ということなのである。 |
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