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3、存在。


そしてまた、これが自己の同一性の根拠となっているのである。そこから離れたところに自己というのが存在し得ず、そしてまた、これが自分にとっての現実の世界なのである。

それは、自分が選んだことではないのである。そうするしかないように条件づけられていて、あらかじめ仕組まれているのであって、それが現実という世界なのである。これが自分が生きている現実の背景なのであって、その空間的・歴史的条件となっているのである。

そうである以上、それはあらかじめ設定されているレールの上なのであって、その上でのみ、人間は生きて行けるのであって、そこから離れたところで人間が生きて行く方法はないのである。

人間自身が見て聞いて触れるといった感覚のすべてが、自分の祖先からの記憶がもたらしたものなのであって、それが身体の感覚器官の感じ方として実体化されたのである。

のみならず、それが感じる外の現実という自然環境自体もまた、人間が作り出したものなのである。そしてそれに人間が拘束され支配され規制されているのである。そして、そこから離れたところに人間は存在し得ない、ということなのである。

戻る。                  続く。

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