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5、異なる世界。


しかし、これはもう少し考えて見ればわかることであるが、それは何も過去と比べての話しだけではなくて、現在を生きる自分たちの現実についても言えることなのである。すなわち、同じ現実を生きていても、それぞれが違う現実を生きている、という意味でもそうなのである。

人間は、自分が生きている現実の世界しか知らないのである。知りようがないのである。同じ時間を、同じ場所で生きていても、それぞれが、それぞれにとっての違う現実を生きているのである。

それぞれにとっての生き方・感じ方・考え方が異なる以上、現実はそれぞれにとって異なる異質な世界を映し出しているのである。そうして、それぞれが同じ現実の中で、異なる世界を生きているのである。

戻る。                 続く。

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