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7、不公平。


たとえば同じ現実が、あるいはまた同じ出来事が、他人とは異なる理由と意味を持って、自分に迫ってくるのである。だから、本来、だれでも気づくような当たり前のことが、自分には気づかなかったり、見えなかったり、気にもならなかったりするのである。人間は、自分の都合と立場からでしか、現実を見ようとしないのである。また、それ以外のことが見えても来ないのである。

これはたとえば、日本へ来た外人が、日本では当然のこととされていることが、どうしても理解できないといったことが起こるのである。人間は、自分が生きている世界を通してしか、この世界というのを知ることが出来ないのである。また、その範囲のことしか知り得ないのである。

だからまた、本論に戻って言うと、たとえば「差別」についても、それが当たり前で、また、それを当たり前にして何の支障もないような、そうした世界に生きている人々にとってみれば、「差別」などと言う不公平なことが、どうしても理解できないのであり、それが意識されることもないのである。

そうした、囲いの中の世界を生きている人々にとってみれば、それはどうしても理解の出来ないことなのである。たとえば戦前戦中の日本がそうであったし、かつての共産主義国家がそうであったのである。そしてまた、今日のイスラム諸国もまた、そうなのである。

戻る。                 続く。

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