「自分たちⅩ」５、象徴。

５、象徴。

それは、閉じた囲いの中の世界の、日常と常識なのであって、そして、その中から見える偏見や誇大妄想といったものは、実は、自分自身のなかの閉じた常識の世界を映し出しているのである。

しかしまた、それは、自分が自分という囲いの中から出て行って始めて、気づきもするし、見えてもくる世界なのである。本当の自分というのは、自分を外からながめて見て、始めて見えてくる世界なのである。

それは、自分のなかで外の現実が映し出されているのである。自分自身の意味や理由といったものが、外の現実世界を照らしていて、そしてそれが反射して再び自己の元に戻ってきて、そしてそれが自分の中で映し出され、再現されているのである。

だからまた、自分自身のなかの自意識が変わると、その中で再現される外の現実世界のあり様といったものも、大きく変わってくるのである。だからまた、そうした意味で、それは錯覚であり、幻想であり、象徴の世界なのである。象徴でしかないのである。

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